ペン字のマナビ

「無」をどう書いていますか

ペン字を学び始めた頃、
「あれ?この字どう書くんだったっけ?」と
思う字が出てくることがありました。

その一つが「無」という漢字。

筆でも書いていたはずの字ですが、
ペン字を始めるまでは
そんなに疑問に思わなかったんです。

これはペンで字を書くという、
より日常のこれまで当たり前だったことの中身に、
ペン字を学ぶことで私の意識が向いたからだと
思います。
(伝わりにくい表現かも知れません・・・)

「無」という漢字。
ペン字を学び始めるまではこう書いていました。

書き順はこうです。

でも、ペン字を学び始めて、
「無」が出てくるときはこう書かれていたのです。

そして、書き順はこうです。

「えっ!私、今まで間違った字を書いていたのかな。
何でだろう・・・」と、疑問に思いました。

それで調べて分かったことは、
どちらも間違いではないということ。

小学校で習う「無」の字形と書き順は、
私がウン十年書いてきたものと同じで、
間違った字を書いてきた訳ではなかったのです。

疑問に思って調べる中で、
『硬筆毛筆書写検定 理論問題のすべて』江守賢治 著
を読むと、こう書かれてありました。

昭和33年に、文部省が「筆順指導の手引き」という本を出しました。この本のまえがきには、初等教育課長・上野芳太郎の名で「一字に幾つもの筆順のある字もあるが、小学校の指導では、この本に示してある筆順で教えてほしい」という意味のことが述べられています。

『硬筆毛筆書写検定 理論問題のすべて』江守賢治 著 より

江守先生も原案ができた段階で相談に乗り、
その際に検討された筆順の問題点には
「無」のこともあったようです。

「筆順指導の手引き」に載せる「無」の筆順は
原案がこちらで↓、そのまま原案通りの筆順に
決まったということです。

何だかややこしいですね。
ややこしく感じるのは活字にも原因があるような気もします。
活字の無」は私にはどちらの線が長いかよく分かりません・・・。

私が見たいろいろな本や字典でも、
やっぱり小学生で習う漢字としての「無」だけが
字形も筆順も違うようです。

字を習う時、初めから伝統的な筆順で教わっておいた方が、
後から私のように戸惑わなくても済むのになと思ったりもします。
でも、そういうことだと分かったので、
今は迷わず伝統的な筆順と字形で「無」を書くようになりました。

今回は「無」の筆順について書いてみましたが、
他にもいくつか疑問に思っていた漢字があるので
また別の機会に書いてみようと思います。