ペン字のマナビ

何のために字を習う?

毎月、競書課題の練習に取り組み、
試験勉強で字を書くことばかりしていると、
何のために字を習っているか
分からなくなってしまう瞬間があったりしませんか。

私自身、過去に競書課題に必死に取り組み過ぎて、
今思うとちょっとおかしかった時期がありました 笑

おかげで?手を痛めてしまって・・・、
でもそれでペンの持ち方を見直すことができたり、
結果あれはあれでよかったのだと思っているのですが。

競書に一生懸命になって級や段が上がっていくのは、
分かりやすい目標としてモチベーション維持にも
よい方へ働くことも多いと思います。
よい作品だと評価されると競書誌の写真版にも
掲載されることも励みになります。

でもそこだけにこだわっていると、
級や段が上がらなくて同じところに留まる状況が
数ヶ月続いたりすると、それだけでやる気がなくなって
「もういいや・・・」と思ってしまったりして。

これ、競書誌で学び始めてそんなに経ってない人に
起こりやすいです。
独学で学んでいる人にも起こりやすい・・・。

そんな時は立ち止まって考えてみるといいです。

私は何で字を習いたいと思ったのか」と。

競書で字を学ぼうと思う人は、始めるきっかけは
「きれいな字を書けるようになりたいから」
という気持ちの方が多いのではと思います。

それなら、その気持ちに立ち返るといいです。

きれいな字を書けるようになるのが最終目標なら、
競書での学びはひとつの手段であって、
そこへたどり着く道はいろいろあるんですよね。
(どこまできれいに?ということがあるのと、
始めると終わりがないことは
だんだん分かってきますが・・・笑)

競書誌に取り組むだけでも字形から文章の整え方、
他にも細かく取り組めば学ぶことは山ほどありますが、

競書誌で課題に取り組む以外にも
・基本練習のくり返し(ひらがななど)
・本を読んで知識を増やす
など、きれいな字を書きたいという目的のために
学びを深める方法はいろいろあります。

本も技術に関する本だけでなく、
字にまつわる歴史や古筆について・・・
他にも本から学べることはたくさんあります。

硬筆書写技能検定も
技術だけでなく知識も求められるので、
試験勉強をしているとそれだけで
書くこと(書)に対する自分の幅が広がります。

「きれいな字を書けるようになりたいから」なら、
きれいな字というその字自体どんなきれいなのか、
そこへ向かって、どんな風に道をたどるのか、
それは人それぞれで。

自分から誰かに教えを乞う場合は別として、
人からこうあるべきと押し付けられるものでもなく、
押し付けるものでもなく。

その人それぞれいろんな道があって当たり前。
自分と向き合って自分に正直に、
その時その時、自分に合う道を選んで進めばいい。
そう思っています。